互換性ガイド

AM4はDDR4、AM5はDDR5しか使えない【マザーボードとメモリの対応早見表】

公開日:2026-08-16 著者:組立テルノ

互換性の基本・2026年8月

結論:ソケットを見ればメモリは決まる。AM4はDDR4、AM5はDDR5しか使えない

選部マヨ子(初心者)

選部マヨ子

いま使ってるAM4のPC、メモリだけDDR5にして速くできないの?
組立テルノ(専門家)

組立テルノ

できないんだ。DDR4とDDR5は切り欠きの位置が違って、そもそも物理的に挿さらない。どのメモリが使えるかは、CPUソケットの時点でほぼ決まってるんだよ。
選部マヨ子(初心者)

選部マヨ子

えっ、じゃあAM5に乗り換えるときは、手持ちのDDR4も使えないってこと!?
組立テルノ(専門家)

組立テルノ

そう、CPU・マザー・メモリの3点セットでの買い替えになる。今日はその対応関係を1枚の表で整理して、「じゃあどう選ぶか」まで話すね。

「AM4でDDR5は使える?」「AM5にDDR4を流用できる?」という疑問への答えは、下の表がすべてです。迷ったらソケット名を確認して、この表に当てはめてください

ソケット使えるメモリ対応CPU備考
AM4(AMD)DDR4のみRyzen 1000〜5000系5700X3Dなど現役CPUもまだある
AM5(AMD)DDR5のみRyzen 7000/8000G/9000系DDR4は物理的に挿さらない
LGA1700(Intel)DDR4またはDDR5第12〜14世代 Coreどちらが使えるかはマザーボード側で決まる
LGA1851(Intel)DDR5のみCore Ultra 200SDDR4対応マザーは存在しない

この記事で分かること

  • ・ソケットとメモリ規格の対応早見表(上の表)
  • ・DDR4とDDR5が物理的に挿さらない理由
  • ・「相性問題」の正体と、買う前にできる確認
  • ・AM4延命とAM5移行、どちらを選ぶかの判断基準

先に要点だけ

  • ・メモリ規格は後から変更できない。ソケットで決まる
  • ・例外はIntel LGA1700だけ(マザー購入時にどちらか選ぶ)
  • ・AM5移行はCPU+マザー+メモリの3点セット買い替え
  • ・迷ったらシミュレーターで組めば互換性は自動チェック

【理由】なぜDDR4とDDR5は挿し替えできないのか

いちばん分かりやすい理由は物理形状です。DDR4もDDR5も288ピンで見た目はそっくりですが、切り欠き(スロット側の出っ張りと噛み合う溝)の位置が意図的にずらしてあり、間違った組み合わせでは奥まで入りません。

手持ちのCrucial DDR4メモリ2枚。金色の端子部分に切り欠きの溝が見える
手持ちのDDR4メモリ(Crucial DDR4-2133)。金色の端子の途中にある溝が「切り欠き」で、DDR5ではこの溝が別の位置にあります。左右非対称なので、挿す向きの間違い防止も兼ねています。

これは嫌がらせではなく安全装置です。DDR5は動作電圧が1.1Vに下がり、電源管理チップ(PMIC)をメモリ側に載せるなど、電気的な設計がDDR4と根本から違います。仮に挿さってしまうと故障につながるため、物理的に挿さらないようにしてあります。

そしてメモリを制御する回路(メモリコントローラ)はマザーボードではなくCPU側に内蔵されています。AM5世代のRyzenはDDR5のコントローラしか積んでいないので、マザーボードをどう工夫してもDDR4は動きません。「ソケットを見ればメモリが決まる」のはこのためです。

選部マヨ子(初心者)

選部マヨ子

メモリが途中までしか入らないんだけど、力で押していいやつ?
組立テルノ(専門家)

組立テルノ

ダメダメ、いったん手を止めて。向きが逆か、規格違いのどちらかだよ。切り欠きの位置をスロット側と見比べて、合ってないなら型番を確認してね。折れたら基板ごと交換になっちゃう。

【例外】Intel第12〜14世代だけは「マザーボード次第」

表の中で1つだけ特殊なのがIntelのLGA1700(第12〜14世代)です。CPU自体はDDR4とDDR5の両方のコントローラを積んでいますが、マザーボードはDDR4専用かDDR5専用のどちらかしかありません。1枚のマザーで両方使える製品は事実上存在しないと考えてください。

つまりDDR4かDDR5かは「マザーボードを買った瞬間」に確定します。製品名に「DDR4」と入っているものがDDR4版(例: B760M-A DDR4)、何も書いていなければDDR5版が多いですが、購入前に必ず製品ページのメモリ欄を確認してください

DDR4版マザーは「手持ちのメモリを活かして安く組む」ための選択肢として人気でした。ただ、いまはDDR4の値上がりも進んでいて(8月前半の相場レポート参照)、新規に組むならDDR5を選んで次のPCへ引き継ぐほうが合理的になっています。

【相性】DDR5の「相性問題」の正体と、買う前にできる2つの確認

「DDR5は相性がシビア」とよく言われますが、実際に起きるトラブルの多くは相性という言葉のイメージとは少し違います。典型的なのは「定格を超える速度設定(XMP/EXPO)で安定しない」というものです。

XMPやEXPOはメーカーが検証したオーバークロック設定で、CPUの定格保証の外側にあります。2枚なら通ることが多い一方、4枚挿しではCPUの公式サポート速度自体が大きく下がるため、XMPが通らないのはむしろ仕様どおりの動きです。

買う前にできる確認は2つあります。

  1. ① マザーボードのQVL(動作確認済みメモリリスト)を見る。メーカーが実機で起動確認したキットの一覧です。載っていなくても動くことは多いですが、載っているキットを選べば外しにくくなります。
  2. ② 枚数を決めてから容量を決める。速度優先なら2枚構成が基本です。4枚挿しは容量最優先の人向けで、クロックが下がる前提で選びます。
組立テルノ(専門家)

組立テルノ

うちはメイン機もサブ機も4枚挿しで、5600のメモリを3600で、6000のメモリを4400で使ってるよ。フリーズと戦った記録は別の記事に全部書いたから、4枚にしたい人は先に読んでみて。
メモリ4枚挿し記事のサムネイル

実体験レポート

メモリ4枚挿しでクロックが下がるのは仕様【DDR5×4枚で組んだ2台の実体験】

【判断】AM4延命とAM5移行、どっちを選ぶか

AM4のまま延命が向く人

  • ・いまのPCがAM4で、CPUだけ強化したい(5700X3Dなど)
  • ・手持ちのDDR4メモリを使い切りたい
  • ・出費を最小限にしたい(買うのはCPUだけ)

AM5へ移行が向く人

  • ・マザーやメモリごと買い替える予定がある
  • ・この先も同じソケットでCPUを載せ替えたい(AM5は長期サポートを表明)
  • ・ゲーム性能を大きく上げたい(X3D系が選べる)
AMD Ryzen 9 9950Xのパッケージを手に持っている
メイン機で使っているRyzen 9 9950X(AM5)。AM5で組む以上、メモリは必ずDDR5になります。私はこれにDDR5を4枚挿して運用しています。

費用の目安として、AM5移行は「CPU+マザーボード+DDR5メモリ」の3点合計で考えます。いまはCPUが値下がりしている一方でメモリが値上がりしているので、「CPUは安く買えるがメモリで差が縮む」のが2026年8月時点の相場観です。最新の合計額は自動構成ページで毎日の価格から確認できます。

参考までに、下の定番2キットの価格を見比べてみてください。DDR4の値上がりが進んだ結果、執筆時点では同容量のDDR4とDDR5の価格差がほとんど消えています。「DDR4だから安く組める」が成立しにくくなっているのが、いまの相場です。

Crucial Pro DDR4-3200 32GBキットの商品画像

AM4・LGA1700(DDR4版)向けの定番

Crucial Pro DDR4-3200 32GB(16GB×2)

型番: CP2K16G4DFRA32A / ネイティブ3200対応

楽天参考価格:¥31,980(毎日の価格取得で自動更新)

Crucial Pro DDR5-6000 32GB Whiteキットの商品画像

AM5・LGA1851向けの定番(XMP/EXPO両対応)

Crucial Pro DDR5-6000 32GB White(16GB×2)

型番: CP2K16G60C36U5W / AM5定番のDDR5-6000

楽天参考価格:¥62,580(毎日の価格取得で自動更新)

購入リンクにはアフィリエイト広告が含まれます。価格と在庫は必ずリンク先の最新情報をご確認ください。

まとめ — 迷ったらシミュレーターに任せる

対応関係はこの記事の早見表で判断できますが、実際の構成づくりでは「このマザーにこのメモリ、このクーラーで干渉しないか」まで気にすることになります。ジサラボのシミュレーターはパーツを選ぶたびにソケット・メモリ規格・サイズの互換性を自動チェックするので、規格違いの組み合わせはその場で警告が出ます。

組立テルノ(専門家)

組立テルノ

テルノからひとこと

「挿さるかどうか」を暗記する必要はないんだ。ソケット名を見る癖と、組む前にシミュレーターへ入れる癖。この2つで規格違いの事故はなくなるよ。

よくある質問

FAQ

よくある質問

AM4のマザーボードにDDR5メモリを挿したらどうなるの?

選部マヨ子(初心者)

選部マヨ子

Q1

AM4のマザーボードにDDR5メモリを挿したらどうなるの?
組立テルノ(専門家)

組立テルノ

物理的に挿さりません。DDR4とDDR5はピン数こそ同じ288ピンですが、切り欠き(スロットの出っ張りに合わせる溝)の位置がずれているため、正しい向きでは奥まで入らない設計になっています。無理に押し込むとスロットやメモリを壊すので、入らないと思ったら型番を確認してください。

AM4からAM5に乗り換えるとき、メモリは使い回せる?

選部マヨ子(初心者)

選部マヨ子

Q2

AM4からAM5に乗り換えるとき、メモリは使い回せる?
組立テルノ(専門家)

組立テルノ

使い回せません。AM5はDDR5専用なので、乗り換えは実質「CPU+マザーボード+メモリの3点セット」になります。予算を組むときは、CPUの価格だけでなくこの3点の合計で比較してください。逆にAM4のまま5700X3Dなどに載せ替えるなら、手持ちのDDR4がそのまま使えます。

Intelの第12〜14世代はDDR4とDDR5どっちを選べばいい?

選部マヨ子(初心者)

選部マヨ子

Q3

Intelの第12〜14世代はDDR4とDDR5どっちを選べばいい?
組立テルノ(専門家)

組立テルノ

これから買うならDDR5版のマザーボードを勧めます。CPUは両対応でも、マザーボードはDDR4専用かDDR5専用のどちらかで、後から変更できません。DDR4版は「手持ちのDDR4を活かして安く組む」ための選択肢でしたが、いまはDDR4の価格も上がっていて割安感が薄れています。次のPCへメモリを引き継げるDDR5のほうが潰しが効きます。

DDR5の「相性問題」って何?買う前に確認できる?

選部マヨ子(初心者)

選部マヨ子

Q4

DDR5の「相性問題」って何?買う前に確認できる?
組立テルノ(専門家)

組立テルノ

多くは「定格を超える速度(XMP/EXPO)で安定しない」「起動時のメモリトレーニングが通らない」という形で出ます。事前にできる確認は2つ。マザーボードメーカーの動作確認済みリスト(QVL)に載っているキットを選ぶこと、そして4枚挿しをするなら速度が公式仕様まで下がる前提でいることです。私も2台で4枚挿しをして、5600のメモリを3600で使っています。

DDR3のパソコンからの買い替えでも、この表の見方は同じ?

選部マヨ子(初心者)

選部マヨ子

Q5

DDR3のパソコンからの買い替えでも、この表の見方は同じ?
組立テルノ(専門家)

組立テルノ

同じだよ。DDR3世代からなら、CPUソケットもメモリもまるごと世代交代しているから、流用できるのはストレージやケース、電源くらいだと思っておくといいね。その場合は部分強化より、AM5やLGA1851でまとめて組み直すほうが結果的に安くつくことが多いよ。